家にお風呂がないのが当たり前だった時代、人々は近所の銭湯に通っていました。今もコーヒー1杯ほどの料金で入れる銭湯が、全国に数千軒残っています。タトゥーがある人にとっては、最も手軽で安く、そして多くの場合、最も気兼ねなく入れるお風呂です。
銭湯のつくり
- 暖簾のかかった入口: 男・女で入口が分かれています。
- 番台・フロント: 昔は男女両方の脱衣所を見渡せる高い番台が定番でしたが、今はロビーにフロントを設けた銭湯がほとんどです。
- ペンキ絵: 東京の銭湯の多くでは、湯船の上の壁に大きな富士山が描かれています。今も手描きで仕上げる絵師が数人残っています。
- いくつもの湯船: 普通の湯と熱い湯のほか、ジェットバス、電気風呂(弱い電流でピリピリするお風呂)、薬湯、水風呂を備えたところも多くあります。
銭湯の料金
銭湯(一般公衆浴場)は、料金に上限が定められている珍しい施設です。大人の入浴料の上限は都道府県ごとに決まっていて、東京では2026年8月から大人600円。子どもはさらに安くなります。サウナは別料金のことが多く、タオルやシャンプー、石けんはフロントで借りたり買ったりできます。古い銭湯は現金のみのところも多いため、小銭や千円札を用意しておくと安心です。
銭湯がタトゥーに寛容な理由
銭湯は娯楽施設ではなく、地域住民の日々の衛生を支える公衆浴場として許可を受けています。料金に上限があるのもそのためで、そもそも客を選ぶ理由があまりありません。浴場組合も、タトゥーだけを理由に入浴を断ることはないという立場を示しており、実際に街の銭湯の多くはタトゥーのある人も普通に受け入れています。
ただし、すべての銭湯がそうとは限りません。独自に貼り紙を出している銭湯もあれば、併設のサウナだけ別のルールになっていることもあります。貼り紙があればそれに従いましょう。方針を確認済みのお風呂はマップで探せます。タトゥーお断りのルールの由来は、タトゥーお断りのお風呂があるのはなぜ?で詳しく解説しています。
銭湯の入り方
- 入口で靴を脱ぐ。 下足箱に入れ、木札などの鍵を持って入ります。
- 料金を払う。 フロントか券売機で支払います。タオルが必要ならここで借りるか買いましょう。
- 脱衣所へ。 服はロッカーかカゴに入れ、浴室には小さなタオルだけを持って入ります。
- まず体を洗う。 カランの前の椅子に座って、しっかり洗いましょう。銭湯のカランは、お湯と水が別々になった押しボタン式が主流です。泡をきれいに流し、終わったら椅子と桶を元に戻します。
- 湯船に浸かる。 ゆっくり入り、タオルはお湯につけないように。頭にのせる人も多くいます。熱い湯はかなりの高温のこともあるので、まず手足で温度を確かめてから入りましょう。
- 体を拭いてから脱衣所へ。 床を濡らさないよう、洗い場で小さなタオルで体を拭いてから上がります。
入浴マナーは温泉ガイドでも詳しく紹介しています。銭湯でもそのまま通用します。
持ち物
- 体を洗うための小さなタオルと、拭くための大きめのタオル
- 石けん、シャンプー、髪の長い人はヘアゴム(髪はお湯につけません)
- 濡れたタオルを入れるビニール袋
- 現金(できれば小銭)
- 着替えの下着(仕事帰りに立ち寄り、さっぱりして帰る常連さんも多くいます)
富士山のペンキ絵
大きな富士山の絵は、主に東京周辺の銭湯文化です。20世紀初めに東京の銭湯で始まったとされ、縁起がよく、湯に浸かりながら眺めると気分が晴れる題材として広まりました。専門の絵師は今では数えるほど。銭湯の定休日に、壁一面をわずか1日で描き上げることも珍しくありません。富士山の代わりに海や地元の風景を描いた銭湯もあり、新しい銭湯ではアーティストに現代的な壁画を依頼することもあります。
牛乳、コインランドリー、季節湯
- 牛乳: 入口近くの冷蔵ケースで瓶入りの牛乳やコーヒー牛乳、フルーツ牛乳を買って飲むのが定番の締めくくり。腰に手を当てて飲むのは、半ば冗談のお約束です。
- コインランドリー: 併設や隣接している銭湯も多く、入浴中に洗濯を済ませられて便利です。
- 季節湯: 冬至のゆず湯、5月のこどもの日の菖蒲湯など、季節ごとの変わり湯を楽しめるのも銭湯ならではです。
銭湯・温泉・スーパー銭湯の違い
温泉は天然の温泉水を使っています。銭湯は基本的に水道水などを沸かしていますが、東京には地下深くから天然温泉を汲み上げている銭湯もあり、その多くは黒っぽい「黒湯」です。詳しくは温泉の泉質を読み解くで解説しています。スーパー銭湯はレストランや仮眠室を備えた大型のレジャー施設で、タトゥーには銭湯よりずっと厳しいのが一般的です。
新しい世代の銭湯
家庭にお風呂が普及して多くの銭湯が姿を消しましたが、残った銭湯は今、新たに生まれ変わりつつあります。若いオーナーがクラフトビールを置いたり、デザイン性の高いサウナをつくったり、展示を開いたり。タトゥーに関する方針を英語でも掲示している銭湯もあります。マップに掲載しているタトゥーOKのお風呂にも、こうした銭湯がいくつもあります。
はじめての銭湯のコツ
- 小さなタオルを持参するか、フロントで数百円で買いましょう。
- 古い銭湯では石けんやシャンプーが置いていないこともあります。持参するか、ミニセットを買いましょう。
- 料金を先に払ってから脱衣所へ。閉店は深夜0時ごろのところが多いので注意しましょう。
- 湯上がりには瓶牛乳を。昔ながらの締めくくりです。
- ゆったり入りたいなら、夕方の早い時間か、お湯が最もきれいな開店直後がおすすめです。
よくある質問
銭湯の料金はいくらですか?
都道府県ごとに上限が定められています。東京では2026年8月から大人600円です。サウナやタオル、アメニティは別料金のことがあります。
銭湯はタトゥーがあっても入れますか?
街の銭湯の多くは入れるため、タトゥーがある人にとって最も気軽な選択肢です。スーパー銭湯や一部の併設サウナは厳しいこともあるので、マップや貼り紙で確認してください。
銭湯と温泉は同じですか?
基本的には違います。多くの銭湯は水道水を沸かしており、温泉は天然の温泉水を使っています。ただし天然温泉を使い、壁に温泉分析書を掲示している銭湯もあります。
持って行くべきものはありますか?
必須のものはありません。たいていの銭湯ではタオルやアメニティを借りたり買ったりできますが、持参すれば節約になります。
子ども連れでも大丈夫ですか?
もちろんです。銭湯は家族で通う場所で、子どもの料金も安く設定されています。お子さんから目を離さず、湯船で泳いだり遊んだりしないよう気をつけましょう。
営業時間は?
銭湯によって異なりますが、午後から夜遅くまで営業し、週1日の定休日があるところが一般的です。出かける前に確認しておきましょう。
広々とした景色の中で湯に浸かりたくなったら、次は温泉地へ。有名な温泉地ガイドから探してみてください。