温泉旅館での一泊は、ホテルとはひと味違うリズムで進みます。到着したらまずお風呂、夕食のあとにもう一度お風呂、布団で眠り、朝風呂と朝食を楽しんでチェックアウト。流れさえ知っていれば、これほどくつろげる過ごし方はありません。ここでは旅館での一日を順に追いながら、タトゥーがある人が気をつけたいポイントをまとめました。
予約:まずはタトゥーのルールを確認
部屋や料金を比べる前に、まずタトゥーの扱いを確認しましょう。ルールは宿ごとに違い、同じ宿でもお風呂によって異なることがあります。当サイトのマップでは、各施設を「タトゥーOK」「シールで隠せばOK」「貸切風呂のみ」に分けて掲載しています。
予約サイトでよく見かける用語もおさらいしておきましょう。
- 1泊2食付き:夕食と朝食が付いた、旅館の定番プランです。食事も旅の大きな楽しみ。素泊まりプランもありますが、静かな温泉街では夜に開いている飲食店がないこともあります。
- 和室/和洋室:和室は畳に布団、和洋室は畳の部屋にベッドが置かれたタイプです。布団で寝るのが苦手な人は和洋室が安心です。
- 露天風呂付き客室:料金は上がりますが、タトゥーの心配がまったくいらない選択肢です。人目を気にせず、好きな時間に何度でも入れます。
旅館の料金は1室ではなく1人あたりで表示されることが多いため、グループの合計金額も確認しておきましょう。
到着とチェックイン
チェックインはたいてい15時から。玄関で靴を脱いで上がり、靴は係の人に預けるか下駄箱に入れます。館内ではスリッパで過ごします。
多くの旅館では仲居さんが部屋まで案内し、お風呂や食事の時間を説明しながらお茶とお茶菓子を出してくれます。このお菓子には意味があり、熱いお風呂の前に少しお腹に入れておくと、湯あたりや立ちくらみを防ぎやすくなります。
客室
畳に上がるときはスリッパを脱ぎ、素足か靴下で過ごします。トイレには専用のスリッパが置かれていることが多く、これはトイレの中だけで使います。
掛け軸や生け花が飾られた床の間は、しつらえを楽しむための場所。荷物を置いたり座ったりするのは控えましょう。窓際に椅子とテーブルが置かれた小さなスペース(広縁)は、湯上がりのビールにぴったりの特等席です。
浴衣と丹前
部屋には浴衣と、寒い時期には上に羽織る丹前が用意されています。館内では、廊下の行き来もお風呂も食事も、浴衣のままで過ごすのが一般的です。
着るときは右側を先に合わせ、左側を上に重ねます。逆の「左前」は亡くなった人の着せ方なので注意しましょう。帯は男性は腰骨のあたり、女性はウエストの位置で結びます。
お風呂の時間と入り方
旅館のお風呂は、深夜1時まで・朝5時からのように、夜遅くまで開いていて早朝から再び入れるところが多くあります。夜中の数時間は清掃で閉まることが多いため、チェックイン時に利用時間を確認しておきましょう。
宿によっては夜のうちに男湯と女湯が入れ替わり、両方のお風呂を楽しめます。朝には入れ替わっていることもあるので、入る前に必ず暖簾の男・女を確かめてください。
お風呂へは部屋のタオルを持って行きます。バスタオルは脱衣所に置き、フェイスタオルは体を洗ったり頭にのせたりするのに使います。タオルは湯船に入れません。かけ湯をして体を洗ってから湯船へ、髪はお湯につけない、という基本はどこでも同じです。夕食前、寝る前、朝食前と、一泊で3回入る人も少なくありません。
夕食
夕食は会席料理が定番です。季節の小鉢が次々と運ばれ、お造りや小鍋、その土地の名物が並びます。部屋食のほか、宿によっては食事処や個室でいただくこともあります。
夕食は開始時間が決まっていて、チェックイン時に18時〜19時半ごろの間で選ぶのが一般的です。料理はその時間に合わせて用意されるので、遅れないようにしましょう。アレルギーや食事制限がある場合は、到着後ではなく予約の段階で伝えておきます。
布団
夕食やお風呂で部屋を空けている間に、係の人が布団を敷いてくれます。部屋に戻ると座卓が端に寄せられ、寝床が整っています。最近は、最初からベッドの部屋や、布団を自分で敷くスタイルの宿もあります。
朝食とチェックアウト
朝食も時間が決まっていて、おおむね7時〜9時ごろです。焼き魚、ごはん、味噌汁、漬物、小鉢がいくつか並ぶ和朝食が一般的です。
チェックアウトはたいてい10時か11時。夕食時の飲み物や冷蔵庫の飲み物、追加で予約した貸切風呂などの料金はフロントで精算します。浴衣は部屋に置いたまま、鍵はフロントへ返却します。
心付けについて
旅館でもチップは不要で、サービス料は宿泊料金に含まれています。高級旅館ではポチ袋に入れた心付けを渡す人もいますが、昔ながらの習慣にすぎず、あくまで任意です。チェックアウトのときに「お世話になりました」とひと声かければ十分です。
タトゥーがある人のためのポイント
- 予約時の備考欄で伝えておく。 「タトゥーがあります。大浴場は利用できますか?難しい場合は貸切風呂などの方法を教えてください」と一言添えておけば、当日お風呂の前で気まずい思いをせずに済みます。
- カバーシールを持って行く。 小さなタトゥーなら隠せばOKという宿もあります。サイズや購入先はタトゥーカバーシールのガイドをご覧ください。
- 貸切風呂を使う。 家族や仲間だけで予約できる貸切風呂や、客室に専用のお風呂がある旅館も多くあります。仕組みは貸切温泉ガイドで解説しています。
- 宿泊者専用のお風呂は条件がゆるやかなことも。 日帰り客と共用のお風呂は厳しく、宿泊者だけが使うお風呂はゆるやか、と分けている宿もあります。
タトゥーOKのおすすめ旅館
いずれも当サイトの掲載施設です。ルールは変わることがあるので、予約前に必ず宿に確認してください。
- 界 箱根:箱根の川沿いに建つ旅館。宿泊者専用のお風呂はタトゥーの制限がありません。東京からも行きやすく、はじめての旅館泊にぴったりです。
- 強羅花扇:同じく箱根の宿。タトゥーがあっても大浴場を利用でき、全室に露天風呂が付いています。
- 界 草津:日本有数の名湯・草津の宿。宿泊者専用のお風呂はタトゥーの制限がありません。
- 界 加賀:石川県の山代温泉。ほかの界と同じく、宿泊者用のお風呂はタトゥーOKです。
- 蛇のゆ湯吉:宮城県・鳴子峡の近くにある小さな宿。タトゥーのある方も歓迎しています。
- 界 別府:「温泉都市」別府の宿。宿泊者専用のお風呂はタトゥーの制限がありません。